冷徹上司の過剰な愛
ドキドキしながら側まで行くと、「入力ミス。」と書類が渡された。



「桁がズレてる。なんでこういうミスに気づかないんだ?」


「っ、…すみません。」



っはぁ。難波さんは相変わらずだ。


わたしはこんなにドキドキしてるのに、難波さんは絶賛仕事モードだもんね。


朝あんなに愛し合ったのが嘘みたい。…二重人格とさえ疑える。



「早急にやり直して持って来て。以上。」



冷たく言い放つと、すぐにパソコンと向き合う難波さん。


デスクに戻り、渡された書類に目をやると、2枚目に付箋が付いていた。


【今日も待ってる。】らしい。


難波さんの綺麗な字を見つめていると、自然と口角が上がる。


こっそり難波さんに視線を向けると、わたしの様子を伺っていたのかすぐに目が合い、小さく何度も頷いて見せると、一瞬だけ口角を上げ笑ってくれた。



「ラブラブなんだからぁ。見てるこっちが恥ずかしい。」



と隣で茶化す舞子を無視し、書類のミスを直した。


それからあっという間に退社時刻になったはいいけど、そのタイミングで月島さんから連絡が入り、会社を出たのは1時間後。
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