冷徹上司の過剰な愛
7章
存在
「スマホ持った。ハンカチ入れた。…よし!」
次の日、仕事始めということもあり、気合いを入れて家を出たタイミングでスマホが鳴った。
「お父さん…?」
見ると相手はお父さん。
お父さんから電話なんて珍しい。それもこんな朝早くからなんて尚更。
「もしもし?お父さん?」
アパートの階段をおりながら電話に出ると、久しぶりにお父さんの声が耳に届いた。…けど、その声に元気はなかった。
『あのん。朝早くからごめんな。』
「んーん。お父さんから電話なんて珍しいね?」
『……実は、母さんが倒れた。』
「え?…、」
歩く足を止め、お父さんの声だけに集中する。
『くも膜下出血らしい。』
「…くも膜下出血…?お母さんは?大丈夫なんだよね?」
『…正直、今は大丈夫とは言いがたい。』
「……今からそっち行く。病院の名前送っといて。」
電話を切り、震える手で難波さんの番号をタップし、なんコールか鳴らすと難波さんの声が耳を包んだ。
次の日、仕事始めということもあり、気合いを入れて家を出たタイミングでスマホが鳴った。
「お父さん…?」
見ると相手はお父さん。
お父さんから電話なんて珍しい。それもこんな朝早くからなんて尚更。
「もしもし?お父さん?」
アパートの階段をおりながら電話に出ると、久しぶりにお父さんの声が耳に届いた。…けど、その声に元気はなかった。
『あのん。朝早くからごめんな。』
「んーん。お父さんから電話なんて珍しいね?」
『……実は、母さんが倒れた。』
「え?…、」
歩く足を止め、お父さんの声だけに集中する。
『くも膜下出血らしい。』
「…くも膜下出血…?お母さんは?大丈夫なんだよね?」
『…正直、今は大丈夫とは言いがたい。』
「……今からそっち行く。病院の名前送っといて。」
電話を切り、震える手で難波さんの番号をタップし、なんコールか鳴らすと難波さんの声が耳を包んだ。