冷徹上司の過剰な愛
「は?彼女ってなに?」



そう返事をした難波さんたちの会話に耳を傾ける。


もしかして、わたしのことバレた!?



「この前の休み、お前が女と歩いてんの見たって女たちが騒いでたぞ。」



え…この前の休み?……それ、わたしじゃない。だってわたしは病院だったし…。それに最近、難波さんと会社以外で会えていない。


じゃ難波さんは誰と?



「見間違いだろ。」



…そうだ。きっと見間違い。



「見間違えるわけないだろ。それにお前のマンションに入って行くの見たって言ってたし。」



…うそ……浮気?…難波さん浮気してるの?


次第に胸が押し潰されるように痛む。


そのまま耳を傾けていると、なぜかわたしの名前が上がりドキッとする。



「なぁ。お前の部署に蓮美って子いるだろ?ちょっと抜けてる可愛い子。」


「…あぁ。蓮美が何?」



そう言った難波さんの声はすごく冷たくて、思わず息を飲む。
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