冷徹上司の過剰な愛
「お父さん…。」



そっか。わたし倒れたんだ…?確か会社のエレベーターで難波さんと……あれ?難波さんは…?



「お父さん、「上司の人には帰ってもらった。」


「え?…そっか。」


「……あのん。仕事がつらいなら辞めていいんだよ。」


「え?、」


「あのんが倒れたのは自分が残業をさせたせいだと頭を下げられたよ。つらいなら「違うっ。違うよ、お父さん。」



わたしが倒れたのは体調管理出来なかった自分のせい。難波さんのせいなんかじゃないし、それに残業なんてここ最近はしてない。


…どうして難波さんそんなこと言ったの…?



「父さん、あのんまで倒れられて、もう身が持たない。母さんと同じ後悔をしたくない。つらいなら仕事は辞めなさい。」


「お父さん……。わたし、仕事を辞めるつもりはないよ。もちろん大変だし、怒られることも多いけど、それでもやり甲斐はある。…仕事を辞めるなんて考えられない。」


「………あの人とお付き合いしてるから?」


「え…、」


「…自分のせいだと何度も頭を下げられた。それに、あのんのことすごく心配してたし、愛おしそうに見つめてた。」


「………。」



分からない。難波さんが全然分からない。昼間聞いたことが難波さんの本音なんじゃないの?それに他に女の人だって…。
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