冷徹上司の過剰な愛
そう尋ねたわたしの声は震えていたかもしれない。


受け入れると決めたものの、やっぱり気持ちが…。



「いない。いるはずない。あのん以外に興味なんてないよ。」


「でも、見たって…。」


「あれは妹。」


「妹……?」



え、妹さん!?……っ、なんだぁ…。てか難波さん妹さんいたんだ?知らなかった。



「ちなみになんだけど、あのんと同い年の弟もいるからね。」


「え?3人兄弟なんですか?」


「そ。見えない?」


「…見えない、です。」



てっきり1人っ子とばかり…。そっか。妹さんに弟さんもいるんだ。



「それでなんだけど、妹にあのんの存在がバレて……会わせろってうるさいんだ。」


「えっ?…いやいや、無理です!絶対無理です。」



確かにあれだけわたしの私物を置いておけば、存在はバレてしまうだろう。だけど、会うなんて……無理!



「でもいずれ会うことになるよね?」


「え?…、」



ニッコリ微笑む難波さんにハテナが浮かぶ。
< 162 / 230 >

この作品をシェア

pagetop