冷徹上司の過剰な愛
ゆっくり、なんて言われたけど、さすがにね…。


急いでお風呂から上がり、用意してくれた着替えに腕を通すと、難波さんの匂いが鼻を掠めた。



「やっぱりぶかぶか…。」



着替えを用意してもらったはいいけど、いつもぶかぶかなんだよね。難波さんの洋服だから。


こうして泊まる機会はそれなりにあるし、着替えも買い揃えようかな?


こういう時の為に、一応基礎化粧品等は一式置かせてもらっている。


だから、この際着替えも一緒に置かせてもらおうかな。



「…上がりました。」



リビングに戻り、パソコンで作業をしていた難波さんに声を掛けると、入れ替わりでリビングから出て行った。


…うわぁ…仕事してる。やっぱりそうだよね。難波さんクラスになると会社だけで仕事が終わるはずないんだよね。こうやって持ち帰って仕事してるんだ。


残業で2時間近くパソコンを見ていたこともあり、文章だらけのパソコンに目がチカチカしてくる。


とその時、一通のメッセージが受信された。


【先日はお世話になりました。その件について、詳しく話しを詰めたいので、お時間あればお会いできませんか?】


白鳥恵ーーー


送り主の名前に覚えがある。
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