冷徹上司の過剰な愛
そういう意味も込めて言ったつもりなんだけど、わたしの気持ちとは裏腹にパソコンを閉じた難波さんは隣にやってきた。



「仕事なんてどうでもいい。今はあのんの時間だから。」



と優しく微笑んだ難波さんの手が頭に触れるとゆっくり撫でる。


…子供と勘違いしてない??子供や動物をあやすような感じなんだけど?



「どうしたい?あのんに合わせるよ。」


「…映画、観たいです。」


「ん。じゃ映画観よっか。あ、この前の続きが残ってるけどそれにする?」



リモコンを操作する姿にさえ、今のわたしはドキドキするんだから重症だ。


…だけど、白鳥さんの存在が頭の片隅をチラつく。


難波さんは白鳥さんのことどう思ってるんだろう?年齢も近いし、気が合うみたいだし……わたしなんかより白鳥さんのほうが難波さんには相応しいんじゃないかな…?


難波さんとわたしの年齢差は10歳も違うわけで…それだけで自信なんて無くなる。


だって難波さんから見たわたしは子供だろうし…?それに加えて仕事も出来ない部下。


………難波さんにわたしは相応しくない。
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