冷徹上司の過剰な愛
「じゃ〜、食べたい物とか…?」


「難波さんの手料理が一番です。」


「ん〜、じゃ〜…、」


「明日は帰ります。部屋の掃除したいな、ってずっと思ってたので。」



嘘。部屋の掃除なんてする気ゼロ。掃除はまとめて年末にする派のわたし。



「…ほんとに帰る?」


「え?、」


「じゃ明日は僕があのんの家に行こうかな?」


「っ、ダメ、ダメですっ。うち狭いし、散らかり放題だから…難波さんビックリすると思います。」


「またダメなんだ?僕はいつになったらあのんの家に行けるんだろう?」


「……ごめん、なさい。」



確かに、これでもう何回目?ってくらいに難波さんのことを断ってる。


でもだって……ほんとに無理だ。こんな高級な高層マンションに住んでる難波さんがうちのアパートなんて…合わない合わない。


あと、うちはほんとに散らかってるから。


……とにかく今は無理。
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