冷徹上司の過剰な愛
「僕が居なくても自由に来て使って?あの時みたいに寝てくれてもいいし。」


「っ、……えっと、良く理解出来ないんですけど…?それってつまり「理解する前に抱きしめさせて?」


「っ、……。」



勢いよく腕を引かれ、すっぽり難波さんの胸に収まる。


この感じ、久しぶり。……難波さんに抱きしめられてる。これは夢じゃないよね?



「あのあと、別れたほうがいいのか、とか。このまま距離を置いて行ったほうがいいのか、とか…。この数日ずっと考えてた。」


「………。」


「でもそんなの無理だった。それよりも後悔した。あのんに触れずにいたこの期間を悔やんだ。そんな無駄なことを考えてる暇があるなら、その分あのんに触れておけば、って…。初めて自分のことをばかだと思った。」


「…難波さん…。」


「1人で勝手に決めて申し訳ないと思ってる。だけど、必ず……必ず迎えに来るし、あのんのところに帰って来るって約束する。だから待っててほしい。」


「………。」


「…無理、かな…?」



体を離して覗き込んできた難波さんの瞳と重なる。



「…絶対、ですか?絶対迎えに来てくれますか?」


「絶対。神に誓って絶対。」


「……浮気もしない?」


「しない。するわけない。あのんしか興味ないよ。」
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