冷徹上司の過剰な愛
天井を見つめながら吐かれた言葉はらしくない。だけど、そう思ってくれていると思うと嬉しい。



「心配だな〜。僕が居ない間に変な男にちょっかい出されないか。」


「ちょっかいって。子供じゃないので大丈夫です。それに、それを言うなら難波さんだってモテるし、わたしのほうが不安で心配です。」



きっと難波さんは海外に行ってもモテる。それに、海外の女性ってみんなセクシーだし魅力的だから余計。そうなったらわたしなんて勝ち目ないじゃん。



「そんな不安も心配もいらないし、する必要もないよ。あのんに対する気持ちは過剰だから。誰にも邪魔出来ない。」


「……口ではなんとでも言えます。」


「ん〜。じゃ、僕の気持ちを形に残そうかな。」


「え?、」



ベッド横の棚から何かを取り出した難波さん。


っ、…え?待って。それって……、


難波さんの手元に見える小箱。それはどう見ても指輪が入っているだろうお洒落な小箱で、それを開くと中にはキラキラと光る指輪が入っていた。



「婚約指輪。これで僕の気持ちはあのんだけのもの。」



そう言って左手の薬指にはめられた指輪はピッタリだった。



「戻ったら結婚しよう。一番にあのんを迎えに行くよ。」


「……うっ、………はい。」
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