冷徹上司の過剰な愛
薬指に光る指輪は、さっき見た夜空の星より綺麗で輝いていた。



「綺麗…っ、」



と指輪に釘付けのわたしを、難波さんは微笑みながら見つめていた。


だけど、その数分後には再び難波さんの腕の中に…。



「…抱き足りない。」



らしい。難波さんらしい?かもね。


それから数日後、難波さんは海外へと旅立った。


寂しいかと聞かれればもちろん寂しいし、今すぐにでも会いに行きたい。だけど、難波さんの愛の形が左手にある。


それを見るたびに気持ちが温まり、震い立たせられる。


3年なんて"きっと"……いや、絶対にあっという間だ。だから大丈夫。心配も不安もない。



左手の指輪が輝き続ける限りーーーー



「蓮美ぃ……大概でこのミス辞めてくれないか?」


「…すみません…。」



難波さんの席に座る難波さんじゃない人から叱られる日々もまだまだ続きそう。


難波さんが戻ってくるまでには成長していたい!……けど、この調子だと無理かも。



「あ、またニヤニヤしてるぅ。」



デスクに戻るなり指輪を見ては気が緩みまくりだから。それもこれも全部難波さんのせいだね。


E n D .
< 228 / 230 >

この作品をシェア

pagetop