冷徹上司の過剰な愛
「あのんさーん?手が止まってますよぉ。」



と顔を覗き込まれ息を飲む。


足立舞子ーーー


隣のデスクの彼女は同期仲間で、わたしと違って仕事が出来る完璧人間。


完璧と言えば、舞子の容姿もこれまた完璧。


これまで出会ってきた人の中でダントツと言えるほど美人で性格は優しい。


それに比べてわたしはろくに仕事も出来ず、ミスはしょっちゅう。だから難波さんのお叱りを受けるナンバー1の人材だったりする。


それでも容姿が舞子のように綺麗だったら別の意味で救われたんだろうけど、わたしの容姿はもう言うまでもないや。


だから、舞子になりたい!って何度思ったことか。



「あのん、先に退社するけど大丈夫?」



舞子の声に腕時計を見ると退社時刻を5分ほど過ぎていた。



「大丈夫だよ。お疲れ様!また来週。」


「…あのんのその笑顔見ると疲れなんて吹っ飛ぶ!可愛いなぁ♪」



とわたしのほっぺを綺麗な人差し指で突つく舞子のほうが何千倍も可愛い。
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