冷徹上司の過剰な愛
カーディガン返したいし、資料のお礼もしたい。だから、今日はわたしの奢りだ!


と誘ってみる。



「おー、別にいいよ?」


「ほんと?じゃお昼また声掛けるね。」



それからお昼までは仕事に集中。


その甲斐あってか、午前中は難波さんに呼ばれることはなかった。



「蓮美から誘ってくるとか珍しいじゃん?」


「そうかな?でもお礼したくて。カーディガンも後で返すから。」



会社を出て歩くこと数分、ランチで賑わう飲食店に入店した。


メニュー表を眺めていると、前から刺さる視線に顔を上げる。



「え、何?」


「いや、綺麗だなぁ、って見てた。」



綺麗…?


まさかその言葉がわたしに向けて言われた言葉だとは思えず、後ろを振り返るとクスクスと笑われた。



「蓮美のことだよ。」


「っえ!?わたし!?嘘ばっかり。お世辞でもさすがに言い過ぎぃ。」
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