冷徹上司の過剰な愛
ったくもぉ…嬉しいけど嬉しくない。有馬って冗談もお世辞も下手過ぎでしょ。



「お世辞でもなんでもなくて本当のことなんだけど。蓮美に彼氏が居ないのが不思議だよな?あ、仕事出来ない上に部屋も散らかってるからかな?」


「っ、余計なお世話!早く決めて頼んじゃおうよ。お腹空いた!」



有馬から慌ててメニュー表に視線を落とすけど、動揺が隠せそうにない。


…本当に思って言ってくれたのなら嬉しい。…言われ慣れてないから反応に困るけど。


それからランチを済ませ、有馬と並んで会社に戻っていると、見覚えのあるシルエットが視界に入り込んだ。



「あ、難波さんだ。」



そのシルエットに先に反応を見せたのは有馬。



「かっこいいよなぁ、難波さん。仕事も出来て、上司と部下からの信頼も熱い。何よりあの若さで課長だし、噂では部長の座もそう遠くないみたいじゃん?」


「そう、なんだ?難波さんが部長……。」



やっぱり難波さんはすごい人なんだ。


そんな人の彼女がわたしって…笑えないや。



「あ、白鳥さん…。」



有馬の声に顔を上げると、難波さんに笑い掛ける白鳥さんの姿が見えた。
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