冷徹上司の過剰な愛
「そういえばあの2人、付き合ってるって噂あるの知ってる?」


「え?、」


「知らないんだ?でもこうして見るとお似合いかもな。休みの日、あの2人を見掛けたって人もいるみたいだし、そういう関係なのかも。」


「………。」



難波さん、やっぱり白鳥さんと会ったんだ…?


仲良く歩く2人の背中を見ていると、胸の奥のほうがチクチクと痛む。


…でもほんと……お似合いだ。わたしなんかが難波さんの隣に居るなんて許されないんだよ。


……このままじゃダメだ。



「今度さ、足立も誘って呑みにでも行こうぜ。最近全然呑めてなかったじゃん?」


「そうだね。舞子にも話しておく。」


「ん。今日は奢ってもらってサンキューな。次は俺が「蓮美さん?、」



有馬の声を遮って聞こえた声にトクンと胸が鳴る。



「やっぱり蓮美さんだった。ランチ帰り?」



と笑い掛かる白鳥さんからはいい匂いがした。


大人な匂い……白鳥さんらしい上品な香り。


難波さんは白鳥さんの隣にいて、わたしと有馬を交互に見ていた。
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