冷徹上司の過剰な愛
「失礼しますっ。」



だった。



「会社じゃないのに。」



とクスクス笑う難波さんにほっぺが膨らむ。


笑わなくてもいいじゃん。無言より断然いいじゃん!



「抱きしめさせて?あのん不足で倒れそう…。」



と玄関で抱きしめられてしまった。


そんな難波さんからはほんのり白鳥さんの香水の匂いがする。


隣にいれば匂いが移るのも仕方ないけど、難波さんから香るこの匂いは嫌いだ。



「難波さんお風呂…、」



早く入ってその匂いを消してほしい。



「ん。もう少しこうしていたい。」


「っ、苦しいです…。」


「…少しだけ我慢して。」



我慢…この匂いも我慢なの?……我慢、だよね。なんでもわたしが我慢すればいいんだもんね。
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