冷徹上司の過剰な愛
寝室に移動するなり、難波さんはすぐに夢の中に…。


気持ち良さそうに眠る難波さんの寝顔を見ながら思うことが一つ。


"もうここ数年ずっと不眠症だよ"


以前、難波さんが同期の人と話しているのを聞いたことがある。


全然不眠症じゃないじゃん…?


少なくともわたしがこうして泊まりに行くとすぐに眠りについてしまう難波さん。


まぁ、難波さんの寝顔を見つめるこの時間が好きだったりするから全然いいんだけどさ?でも、無防備だよね。会社では隙一つ見せない難波さんなのに。


それにしても、ほんとに顔が整いすぎててある意味怖い。



「…かっこいい…。」



目元に掛かる前髪をそっと撫でると、「…あのん…、」と抱きしめられた。


…可愛い…。


初めて男の人を可愛いと思った。それも大の大人の人を。



「おやすみなさい、難波さん。」



それからすぐに夢の中に。
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