冷徹上司の過剰な愛
有馬未子(みつ)ーーー


後ろのデスクに座る有馬も舞子同様同期仲間の１人。そんな有馬も今みたいによく助けてくれる。なんだかんだでわたしは周りの人間に恵まれているのだ。


多分、舞子や有馬が居なかったら今の仕事は続いてなかっただろう。


それほど２人の存在は大きい。


有馬は立ち上がると難波さんのようにジャケットに腕を通した。



「じゃ、お先。頑張れよ！」


「ありがとう。お疲れ。」



有馬に笑みを向けると、「蓮美、」と離れたところから聞こえた声にドキッとする。



「っ、はい…。」



恐る恐る立ち上がり、呼ばれたほうに顔を向けると、無表情の難波さん。



「書類、今日中だから。終わったら僕のデスク上に置いといて。」



それだけ言うとオフィスを出て行った。


っふぅ…ドキドキしたぁ…！！次は何言われるんだろう？ってヒヤヒヤした……良かった。


腰が抜けたように椅子に座るとそのままデスクに項垂れる。
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