冷徹上司の過剰な愛
「どんな彼氏?やっぱりイケメン??」


「…上司、なの。」


「会社の上司!?オフィスラブじゃん!」


「オフィスラブ、だね。あはははっ。」


「へぇ〜。彼氏上司なんだ?」



わたしたちの会話を聞いていたのか、懐かしい声に振り返ると…、



「…大和…、」


「久しぶり、あのん。」


「…久しぶり…。」



佐野大和ーーー


高校2年の時、1年近く付き合っていた元カレ。


正直大和には良い思い出がない。もちろん好きだったし、わたしたちはちゃんと恋愛をしていたと思う。


色んなところにデートだって行ったし、登下校も一緒だった。


だけど……、


"あのんの身体にはもう飽きた…別れて。"


その言葉に、大和との思い出は一瞬にして散った。


最後なんてそんなもので、別れというものは呆気ない。
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