冷徹上司の過剰な愛
「あのん…良い女になったな?やっぱり俺のどタイプなんだよなぁ〜。」



と頭の上から足先まで見られ、思わず俯く。


何が"俺のどタイプ"よ…。ひどい振り方しといてよく言うよ。あの言葉、忘れたとは言わせないからね。



「沙知、行こ。」



沙知の腕を掴むと、大和を置いてズカズカと歩く。



「あのんと大和、そういえば付き合ってたもんね。」


「…うん。嫌な思い出しかないけどね。」


「そう?あの頃のあのんは毎日楽しそうに笑ってた。大和のこと好きだったのは事実じゃん?」


「……好きだった。だけど、大和のあの言葉は今でも引きずってる…。」


「…あ、そうだよね。ごめん。」


「え?あ、ううんっ!大和はもう過去だから。」



重い空気を作ってしまい、思わず笑顔を向ける。


大和のことは置いといて、今日は同窓会を楽しもう!その為に来たんだから。


その後は、沙知と懐かしいメンバーに挨拶して回った。


同窓会来て良かった。あの頃に戻ったような錯覚さえ起こしてしまうほど充実してる。
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