冷徹上司の過剰な愛
「どんな格好で行ったのか、僕にも見せて?」


「っ、…フォ、フォーマル…ですよ…?」


「じゃ尚更見せてほしいな。」



とボタンに手を掛けた難波さんの手を思わず握ると、優しく微笑まれた。



「そんな顔してもダメ。」


「……っ、難波さん、あの、「もう黙って。」



……っ、…あーぁ、あの格好を難波さんに…。


器用にボタンを外していく難波さんからは、多分もう見えてるはず。


別にそこまで変な格好をしてるわけじゃない。


ただ……胸元がレースで透けて見えていて、そんな格好を難波さんに見せたことがなかったから、どう思われるのか不安というか…。


でも、その格好を見た難波さんからは予想外の言葉が吐かれた。



「…似合ってる。いいんじゃない?」


「え?…あ、はい…。」


「なんて言うとでも思った?」


「えっ?…、」


「似合ってるけど、この格好で行ったのは不正解。」


「………どうしてですか?似合ってるならいいじゃないですか。」
< 57 / 230 >

この作品をシェア

pagetop