冷徹上司の過剰な愛
難波さんとはキス以上のことをすることはないと思っていた。


難波さんは彼氏だけど、上司でもあるから…。


そこまでの関係にはなれないと、どこかで思っていた部分はある。だけど、気づいてしまったから……。



「…わたし、難波さんが好きです…。」



難波さんが好き。その気持ちに気づいた。


だから、無意識に難波さんに会いに来てた。大和に言われたあの言葉を消したくて…消してほしくて。



「………。」


「難波さん…?」



わたしを見つめたまま、何も言わない難波さんにどんどん不安になる。


やっぱり難波さんの目的は身体…?だから、わたしのこの気持ちは迷惑だった…?


でも、それでもいい。



「…難波さんがわたしを彼女にした理由がそういう理由でも大丈夫です。ただわたしが勝手に好きになっただけなので…。」



こんなダサい台詞、さすがに難波さんを見ながらは言えないと、俯くことしか出来なかった。


結局わたしはこういう恋愛しか出来ない。そういう運命なのかもしれない。
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