冷徹上司の過剰な愛
気づけば周りは誰もいない。みんな帰っちゃったんだ…?


広いオフィスに1人…


この状況はこれまでにも経験済み。だから今更なんとも思わないけど…やっぱり寂しい。


…よし、やるか!終わらないと帰れないし!


と気合いを入れ姿勢を正した時、デスク上のスマホに通知が。


画面に表示された名前を見るなりドキッとする。


【キリがいいところで切り上げて、そのまま僕のマンションにおいで?】


……難波さんだ。


…いいんだ?今日中って言ってたのに?……難波さんがそう言うならいい、のかな…?


スマホとパソコンを交互に見つつ、気持ちと戦う。


このままさっさと切り上げて退社したい。でも、それだと有馬の優しさを無駄にしてしまう気も……。


ってことで、少しだけ残業することに。


その少しが意外にも少しじゃなくなり、気づけば2時間もパソコンと向き合っていた。



「出来た…!」



有馬の書類がかなり役に立ち、キリがいいところがなくなってしまった。


仕上がった書類を難波さんのデスクに置き、急いで会社を後にした。
< 6 / 230 >

この作品をシェア

pagetop