冷徹上司の過剰な愛
エレベーターに乗り込んでも無言の難波さん…。もしかして怒ってる??…まだ書類のミスを引きずってるのかも。



「っ、難波さん。書類の件なんですけど、以後同じようなミスをしないように気をつけます。提出してきた書類に不備はないと思います。」



何度も何度もチェックしてきたもん。きっと大丈夫。って、いつも何度もチェックしてるんだけどなぁ。それでも不備があるから不思議。



「難波さん。…じゃないよね?あのん。」


「っ、……えっと、」


「浬。いつになったら呼んでくれるのかな?」


「………。」



難波さんの下の名前…"浬"……なんて呼べないよぉ。無理無理、絶対無理。


なのに難波さんはそう呼ばせたがる。



「呼ばないとここでキスするけど?」


「っ、……。」



ここで!?エレベーターの中で!?誰がいつ乗ってくるか分からないこの状況の中で…キスッ!!?


あたふたしてる間にも難波さんの整った顔がすぐ側まで寄せられる。
< 8 / 230 >

この作品をシェア

pagetop