冷徹上司の過剰な愛
恐る恐る振り返ると、がっつり難波さんと目が合う。だけど、すぐに逸らしたのはわたし。



「え〜、何ぃ?煌もデート?それも年下の子と。」



煌"も"ってことは、難波さんたちはデートしてたんだ…?



「そう!あのんちゃん。可愛いっしょ?」



と煌さんの手が頭に触れる。



「煌は相変わらずシスコンなんだね?…あれ?でもこの子どこかで見たような…?」



波瑠さんの綺麗な瞳がわたしを捉えて離さない。



「あ!浬の部下の子じゃない?ほら、この前一緒にいたよね?」



と難波さんに笑顔を向ける波瑠さんに胸が痛む。


……ほんと…お似合いだ、この2人。やっぱりわたしじゃない。難波さんの隣に立つべき人は波瑠さんだ。



「そうだ!これから呑み直さない?良かったら貴方も。」



なんの嫌がらせ?難波さんとイチャつく姿を見るのは御免だ。



「いえ。わたしは帰ります。邪魔になると思うので。」


「えぇ〜?あのんちゃん帰るの?俺寂しいなぁ。」
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