人間の世界に行ったけど、迷子になりました
めざせアイドル?
「あー、ずぅぅっと楽して暮らしたいなあ」
死神学校の屋上で、寝っ転がりながらずっと楽して暮らす方法を考えている男がいた。
彼は見習い死神クロ。頭がドクロになっていて鋭いカマを持ち、黒いマントを羽織っている妖怪だ。妖界から特別な方法で人間の世界に行っては、死んでゆく人間の魂を運ぶのが仕事である。
その大事なカマを器用に使って、クロはひょいひょいとドクロスナックを口に放り込んでいた。ドクロスナックは地獄の炎で、地獄唐辛子を炙って作ったおやつだ。口の中で焼けるほど熱く弾けて消える、かーっとくる感じがたまらない。
クロが寝っ転がっていると、屋上のドアがガチャリと開いた。
ぴゅううううっ。こういう時だけクロの動きは素早い。ギロチン台と恐竜の骨の隙間に潜り込んで隠れる。どうして死神学校の屋上にそんなものがあるのかは、誰も知らない。
現れたのは、年寄りと若い二人の死神先生だった。年寄りの方は黒いサングラスに杖をついており、若い方はメガネをかけている。
「クロめ!今日はどこでサボっているんだ?もう授業も終わりだってのに、一度も顔を見せなかったぞ!」
先生たちはいつもサボっているクロを探しに来たのだ。見つかると先生のカマでバラバラにされて、丸一日物干し台に吊るされることになる。骨を繋げば、元には戻るけど。
「クロめ。まさか人間界まで行ってたりせんだろうな」
「でも人間界に行ってもサボれないじゃないですか。私たち死神にとって、魂をとってくる仕事場なんですから」
年老いた方は冗談を言い、若い死神先生は首を傾げた。
「この頃の人間界じゃ、妖怪が主役の漫画やアニメがあるそうだ。死神もアイドルみたいになれるかもしれないというお話なのさ」
話しながら先生たちが帰るのを確かめて、ゴソゴソと這い出る。
死神学校の屋上で、寝っ転がりながらずっと楽して暮らす方法を考えている男がいた。
彼は見習い死神クロ。頭がドクロになっていて鋭いカマを持ち、黒いマントを羽織っている妖怪だ。妖界から特別な方法で人間の世界に行っては、死んでゆく人間の魂を運ぶのが仕事である。
その大事なカマを器用に使って、クロはひょいひょいとドクロスナックを口に放り込んでいた。ドクロスナックは地獄の炎で、地獄唐辛子を炙って作ったおやつだ。口の中で焼けるほど熱く弾けて消える、かーっとくる感じがたまらない。
クロが寝っ転がっていると、屋上のドアがガチャリと開いた。
ぴゅううううっ。こういう時だけクロの動きは素早い。ギロチン台と恐竜の骨の隙間に潜り込んで隠れる。どうして死神学校の屋上にそんなものがあるのかは、誰も知らない。
現れたのは、年寄りと若い二人の死神先生だった。年寄りの方は黒いサングラスに杖をついており、若い方はメガネをかけている。
「クロめ!今日はどこでサボっているんだ?もう授業も終わりだってのに、一度も顔を見せなかったぞ!」
先生たちはいつもサボっているクロを探しに来たのだ。見つかると先生のカマでバラバラにされて、丸一日物干し台に吊るされることになる。骨を繋げば、元には戻るけど。
「クロめ。まさか人間界まで行ってたりせんだろうな」
「でも人間界に行ってもサボれないじゃないですか。私たち死神にとって、魂をとってくる仕事場なんですから」
年老いた方は冗談を言い、若い死神先生は首を傾げた。
「この頃の人間界じゃ、妖怪が主役の漫画やアニメがあるそうだ。死神もアイドルみたいになれるかもしれないというお話なのさ」
話しながら先生たちが帰るのを確かめて、ゴソゴソと這い出る。