夫婦間不純ルール
ここにいるのだから。探偵を雇うことも考えなかったわけじゃない、そうしなかったのは出来るだけこの事を人に話したくなかったから。
だけど、奥野君は知っている。夫の岳紘さんが他の女性と会っていることを、それならもう全部話してもいいかと思えて……
「そうよ、奥野君に協力して欲しいの。夫の、あの人の浮気について調べたいと思ってる」
「そっかあ、とうとう雫先輩も決心したんですね」
奥野君の返事は、いつかはこうなることを予想していたかのようだった。それほどまでに彼が自信をもっていた理由が何なのかは分からなかったけれど。
ここに来て奥野君が「やっぱり無理です」という事も覚悟はしてきた。こんな夫婦の問題に好んで首を突っ込みたいという人間は、そうそういないだろうから。
だけど私は彼がそれを引き受けてくれると、頭のどこかで分かっていたのだと思う。
「雫先輩のお願いなら、聞かないわけにはいかないですね」
「ごめんなさい奥野君、でもありがとう……」
謝罪とお礼を言えば、奥野君は首を傾げて笑って見せる。そんなのは必要ないですよ、と言うように。そんな彼の言動が、私の中の罪悪感をより大きくすることになったのだけれど。
だけど、奥野君は知っている。夫の岳紘さんが他の女性と会っていることを、それならもう全部話してもいいかと思えて……
「そうよ、奥野君に協力して欲しいの。夫の、あの人の浮気について調べたいと思ってる」
「そっかあ、とうとう雫先輩も決心したんですね」
奥野君の返事は、いつかはこうなることを予想していたかのようだった。それほどまでに彼が自信をもっていた理由が何なのかは分からなかったけれど。
ここに来て奥野君が「やっぱり無理です」という事も覚悟はしてきた。こんな夫婦の問題に好んで首を突っ込みたいという人間は、そうそういないだろうから。
だけど私は彼がそれを引き受けてくれると、頭のどこかで分かっていたのだと思う。
「雫先輩のお願いなら、聞かないわけにはいかないですね」
「ごめんなさい奥野君、でもありがとう……」
謝罪とお礼を言えば、奥野君は首を傾げて笑って見せる。そんなのは必要ないですよ、と言うように。そんな彼の言動が、私の中の罪悪感をより大きくすることになったのだけれど。