届かない思い
1人の教室も少し慣れた。
窓から入ってくる風が心地良い。
少し前まで半袖で良かったけど、今では少し肌寒い。でも、ここからは、色んな部活が見渡すことが出来る。野球部がランニングをしているところ。(まあ、見なくても何となく声で察するよね。)
後は、サッカー部とか、陸上部、テニス部も見える。みんな楽しそう、
ガラッ
「神咲、遅れて悪かったなぁ」
「いえ、大丈夫です。もう慣れましたから」
「そんなこというなよ〜。」
と笑う先生は、いつも遅刻してくる。そして、これはいつもの流れ。この少しの会話、、、、、。
「よし、今日はこの問題をするぞ」
「はい」
さっきの雰囲気はなく、勉強モードに変わった先生。そういうところはギャップだ。
数十分後
「今日はここまで。おつかれさま」
「ありがとうございました」
私は、お辞儀をする
「毎回、そんなに深くしなくても、こんなにオレの授業を真剣に聞いてくれるのは神咲くらいだぞ〜。」
「そうですか?みんな聞いてますよ?」
「そうか〜?、いや、でもわざわざ授業後残るのなんて、オレの学生時代だったらぜってぇしないからな。ホント偉いぞ、神咲は!」
「ほんとうですか?」
「あぁ、すごく偉いぞ。生徒会長もやって、勉強も頑張ってるしな。よく頑張ってるぞ!」
と言いながら頭を2回、ポンポンと撫でてくる。私は顔が赤くなるのが分かり、下を向きながらとっさに話を変えた。
「そ、そういえば、先生、バスケ部の顧問ですよね?もしかして、その時間を削ってまで私に教えてくれてたりしないですよね?
もし、それだったら、もうやらなくて大丈夫ですよ。私から言いましたけど、もしそうだったのなら申し訳ないので、」
「ん?」
先生は首を傾げた。
「あぁ、それなら大丈夫だぞ。オレは副顧問だから、それに最近どうやってサボろうか悩んでたから、凄いGoodタイミングだったぞ。逆にこっちがありがとうだな!」
「いやいや、それダメじゃないですか!」
「神咲、許してくれよ、オレは数学に困った神咲の命の恩人だろ、なっ?、そういうことでいいってことで、後、さっき言ったことはオレたちのヒミツなっ」
「命の恩人は言い過ぎですけど、助けてもらったのは事実ぽいので一応黙っておきます」
「ポイってなんだよ!でも、ありがとうな
。神咲」
「もう先生ってば、何言ってるんですか、でも、一応ですからね」
「ははぁ、神咲様にお手を煩わせないように善処します」
と話しているとあっという間に時間が過ぎ、日がもう見えなくなってきていた。
「神咲、そろそろ帰る時間だぞ」
「もう、そんな時間ですか?」
「そうだ、親御さんが心配するぞ」
「わかりました」
と
落ち込んだ時
「そんな不貞腐れるな、オレには明日も会えるからなキラッ☆(ゝω・)」
「すみません、違います」
「神咲、乗ってきてくれよー」
「いやですよ、乗ったら、変人ですもん」
「それ、オレが変人みたいじゃないか」
「いや、そうですから」
「神咲、オレは今1万ダメージを受けたぞ」
「そうですか、ありがとうございました」
「神咲、いつの間に」
私は先生と話しながらも帰りの準備を進めていた。
「先生、ありがとうございました」
「あぁ、気をつけて帰れよ」
と教室の前で別れる、私は少し歩いたところで後ろを振り返る。先生の後ろ姿が見える。これは私の日課、先生が見えなくなるまで見続ける。先生が見えなくなってから、また、わたしは動き出す。
そう、これが日課