異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます
96 目覚めた力
ジュブジュブと、私の中を掻き回す音と、私の口から漏れる喘ぎ声だけが部屋の中で聞こえる。
息を継ぐために唇が離れ、またすぐに口づけを交わし合う。私の体の内から湧き出る熱が、上からも下からも彼へと伝わっていく。
「ユイナ…もっとあなたの中であなたを感じたい」
それがどういう意味なのか悟って、私は彼に向かって手を伸ばす。
「私も…あなたをもっと奥に感じたい」
彼の首を引き寄せ、その首筋に顔を寄せる。
首筋の腱が浮き出していて、緊張して力が入っているのがわかる。
「アドルファス…来て」
リハビリはとっくに愛の行為に取り変わっていたが、彼が私の中に癒やしを求めているのに変わりはない。
指が抜かれ、すぐさまそこに別のものが触れるのを感じた。
グンっと熱くて硬いものが割って入り込んで来て、全身に恍惚とした震えが走った。
「あ、あああ…」
彼の筋張った首筋に唇を押しあて、くぐもった声を上げる。
「ユイナ…」
切なげな声が耳に囁かれ、それだけで彼のものをきゅっと締めた。
「本当に…無事で良かった。こうしてまた、君を抱ける。君を感じることが出来る」
ぎゅうっときつく私を抱きしめるアドルファスさんの声が震えている。
「君が望むなら、帰そうと…その時には笑って見送ろうと思っていた」
そろそろと震える彼の背中に手を這わせ、安心させるように優しく叩く。
身内に彼のものを抱いたまま、二人で繋がり合っているこの温かさと心地良さを感じ続ける。
「それが突然いなくなって、あんな別れは想像していなかった」
「私も…帰る時は、きちんと挨拶をして、気持ちを整理してからって思っていました」
あの暗い闇の、肌を刺す痛みの中思っていたことを口にする。
「私がいなくなって、少しは寂しいと思ってくれるかな、とか、早く誰かいい人が見つかるといいな、とか、私が側にいないあなたの未来が幸せなものになってくれたらな、とか、色々思いました」
「私も、元の世界に戻った君の幸せを願っていた。でも、君がいなくなった後の穴を埋める人が現れるとは思えない」
そっと身を起こし、互いの顔を見つめ合う。
アイスブルーの瞳は一見冷たそうに思えるが、私を見つめる瞳はどこまでも温かい。
「飛び込んだこと、後悔はしていない。五年前の時と同じように、いや、それ以上に、あれしか私には選択肢がなかった。たとえ互いが魔巣窟の毒に侵され、躯に成り果てようとも、君を一人で行かせたくはなかった」
「アドルファス…ありがとう。あなたが一緒ならどこにいても、怖くも寂しくもない」
ただ、幸せな時だけでなく、辛くてもこの人がいるなら心強く思える。
パサリと長い銀髪が流れ、私の顔の周りに広がる。それは銀のカーテンのように私を閉じ込め、その力強い腕は楔となって私を繋ぎ止める。
「そろそろ、動いて大丈夫かな?」
尋ねられ、こくりと頷くと、すぐに彼は腰を振り、抽挿を始めた。
「あ、ハァ、あ」
縊れた部分が襞を擦り、最奥を何度も貫く。
何度も何度も引いては突いて、その度に激しく揺さぶられる。
快楽だけを追い求めるのではなく、こうして相手の体温と息吹を感じ、生きている喜びを噛み締めあった。
目が合うたびに唇を合わせ、ピタリと上半身を寄せ合い、やがて高みへと昇り詰めていった。
二人ほぼ同時に達した瞬間、お腹の底から疼きとは違う何かが湧き上がってきて、アドルファスさんへと流れていくのを感じた。
「え!」
薄いヴェールのようなものが二人の体を包み込む。
「これは?」
「ユイナ?」
ストッキングの生地のような薄いそれを摘もうと手を伸ばした。私の行動をアドルファスさんが訝しげに見る。
「何か…清浄なものを感じる。いつもクムヒムが流し込んでくれる力よりもっと清々しい。これは、浄化の力か?」
光は彼に見えていないらしく、肌で何かを感じている。
「あ、アドルファスさん…手…」
枯れ枝から少しふっくらとしていた手が、すっかり元の形に戻り、体の傷は残ったままだったが、変色していた部分が全て他の場所と同じ色になっていた。
「あ、顔…」
体から視線を移すと、左顔面も同じように傷はそのままに、色だけが変わっている。
「毒が…消えた?」
浄化と傷を治す治癒が別の力なのか、痕は残っていても、すでに塞がった傷痕までは無かったことにはできなかったのかも知れない。
「え…ど、どんな感じですか?」
無意識だから、自分が本当に力を使えたのかわからない。
まだ繋がったまま、傷痕だけが残った自分の腕や体を眺め回しているアドルファスさんに尋ねた。
「君と愛し合えてこれまでで最高の気分だ」
「え、そうじゃなくて…あ、ありがとうございます」
えっちの感想を聞かたかったわけではないけど、一応お礼を言っておく。
「体の中にあったモヤモヤしたものが、全てなくなったような感じだ」
ずるりと私の中から自身を抜き出し、溢れた私の愛液を指で拭う。
普通なら、男性の精液も混じっているところだが、彼のは魔法のリングがどこかへ飛ばしてしまったから、溢れたのは全て私のということになる。
「色が…」
根本にはめ込まれたリングが銀色から黒く変色していた。
息を継ぐために唇が離れ、またすぐに口づけを交わし合う。私の体の内から湧き出る熱が、上からも下からも彼へと伝わっていく。
「ユイナ…もっとあなたの中であなたを感じたい」
それがどういう意味なのか悟って、私は彼に向かって手を伸ばす。
「私も…あなたをもっと奥に感じたい」
彼の首を引き寄せ、その首筋に顔を寄せる。
首筋の腱が浮き出していて、緊張して力が入っているのがわかる。
「アドルファス…来て」
リハビリはとっくに愛の行為に取り変わっていたが、彼が私の中に癒やしを求めているのに変わりはない。
指が抜かれ、すぐさまそこに別のものが触れるのを感じた。
グンっと熱くて硬いものが割って入り込んで来て、全身に恍惚とした震えが走った。
「あ、あああ…」
彼の筋張った首筋に唇を押しあて、くぐもった声を上げる。
「ユイナ…」
切なげな声が耳に囁かれ、それだけで彼のものをきゅっと締めた。
「本当に…無事で良かった。こうしてまた、君を抱ける。君を感じることが出来る」
ぎゅうっときつく私を抱きしめるアドルファスさんの声が震えている。
「君が望むなら、帰そうと…その時には笑って見送ろうと思っていた」
そろそろと震える彼の背中に手を這わせ、安心させるように優しく叩く。
身内に彼のものを抱いたまま、二人で繋がり合っているこの温かさと心地良さを感じ続ける。
「それが突然いなくなって、あんな別れは想像していなかった」
「私も…帰る時は、きちんと挨拶をして、気持ちを整理してからって思っていました」
あの暗い闇の、肌を刺す痛みの中思っていたことを口にする。
「私がいなくなって、少しは寂しいと思ってくれるかな、とか、早く誰かいい人が見つかるといいな、とか、私が側にいないあなたの未来が幸せなものになってくれたらな、とか、色々思いました」
「私も、元の世界に戻った君の幸せを願っていた。でも、君がいなくなった後の穴を埋める人が現れるとは思えない」
そっと身を起こし、互いの顔を見つめ合う。
アイスブルーの瞳は一見冷たそうに思えるが、私を見つめる瞳はどこまでも温かい。
「飛び込んだこと、後悔はしていない。五年前の時と同じように、いや、それ以上に、あれしか私には選択肢がなかった。たとえ互いが魔巣窟の毒に侵され、躯に成り果てようとも、君を一人で行かせたくはなかった」
「アドルファス…ありがとう。あなたが一緒ならどこにいても、怖くも寂しくもない」
ただ、幸せな時だけでなく、辛くてもこの人がいるなら心強く思える。
パサリと長い銀髪が流れ、私の顔の周りに広がる。それは銀のカーテンのように私を閉じ込め、その力強い腕は楔となって私を繋ぎ止める。
「そろそろ、動いて大丈夫かな?」
尋ねられ、こくりと頷くと、すぐに彼は腰を振り、抽挿を始めた。
「あ、ハァ、あ」
縊れた部分が襞を擦り、最奥を何度も貫く。
何度も何度も引いては突いて、その度に激しく揺さぶられる。
快楽だけを追い求めるのではなく、こうして相手の体温と息吹を感じ、生きている喜びを噛み締めあった。
目が合うたびに唇を合わせ、ピタリと上半身を寄せ合い、やがて高みへと昇り詰めていった。
二人ほぼ同時に達した瞬間、お腹の底から疼きとは違う何かが湧き上がってきて、アドルファスさんへと流れていくのを感じた。
「え!」
薄いヴェールのようなものが二人の体を包み込む。
「これは?」
「ユイナ?」
ストッキングの生地のような薄いそれを摘もうと手を伸ばした。私の行動をアドルファスさんが訝しげに見る。
「何か…清浄なものを感じる。いつもクムヒムが流し込んでくれる力よりもっと清々しい。これは、浄化の力か?」
光は彼に見えていないらしく、肌で何かを感じている。
「あ、アドルファスさん…手…」
枯れ枝から少しふっくらとしていた手が、すっかり元の形に戻り、体の傷は残ったままだったが、変色していた部分が全て他の場所と同じ色になっていた。
「あ、顔…」
体から視線を移すと、左顔面も同じように傷はそのままに、色だけが変わっている。
「毒が…消えた?」
浄化と傷を治す治癒が別の力なのか、痕は残っていても、すでに塞がった傷痕までは無かったことにはできなかったのかも知れない。
「え…ど、どんな感じですか?」
無意識だから、自分が本当に力を使えたのかわからない。
まだ繋がったまま、傷痕だけが残った自分の腕や体を眺め回しているアドルファスさんに尋ねた。
「君と愛し合えてこれまでで最高の気分だ」
「え、そうじゃなくて…あ、ありがとうございます」
えっちの感想を聞かたかったわけではないけど、一応お礼を言っておく。
「体の中にあったモヤモヤしたものが、全てなくなったような感じだ」
ずるりと私の中から自身を抜き出し、溢れた私の愛液を指で拭う。
普通なら、男性の精液も混じっているところだが、彼のは魔法のリングがどこかへ飛ばしてしまったから、溢れたのは全て私のということになる。
「色が…」
根本にはめ込まれたリングが銀色から黒く変色していた。