僕たちの関係「共犯者」
ポテトとチョコレートパフェ、そしてフルーツパフェを頼んだ後は空はマイクを手に歌い始めた。マイクを差し出しても結月は歌うことはなかったものの、空が歌っている様子をただジッと見ていた。

三時間ほど歌った後、解散となったのだが、結月は帰り際に手を振ってくれた。

「今日も楽しかったわ。またね」

「僕も楽しかったよ!また明日!」

空もブンブンと大きく手を振り返す。心臓は激しく高鳴り、顔には自然と笑みが浮かんでいた。

「そんなに手を振る必要ないでしょ、馬鹿」

そう言った結月の頰が、どこか赤く染まっているように空には見えた。



次の日、空は今日は結月とどんなことを話そうかとわくわくしながら教室へと入った。だが、いつもは自分の席に座って本を読んでいるはずの結月はどこにもいない。

「あれ?結月さん休み?」

もしかして屋上にいるのでは、そう思い屋上へ足を運んだものの、そこに見慣れた後ろ姿はなかった。

「風邪かな?」

結月は空と共に学校を途中でサボることはあっても、今まで休んだことは一度もない。心配になった空は放課後お見舞いに行くことにした。住所は教えてもらったことがあるため、知っている。
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