僕たちの関係「共犯者」

結月の家は、高級住宅街にある立派な門のある一軒家だった。両親が大企業で働いていると教えてもらったことはあったものの、こんな豪邸に住んでいるのかと空は一気に緊張してしまう。

インターホンを空は震える指で押す。空の家と同じチャイムの音が響いた。だが、結月は出て来ない。

「あれ？」

空はもう一度インターホンを押す。だが、やはり誰も出て来ない。

「結月さん？」

門に触れると、鍵はかかっていなかった。空は迷うことなく歩き出す。ここで引き返したら一生後悔することになると何故か思ったのだ。

ミントグリーンの可愛らしい雰囲気のある家のドアの前に立つ。ドアノブに触れると、そこも鍵がかかっていなかった。空は「お邪魔しま〜す」と言いながら入る。

家の中は、高そうな家具が並べられている。空の家の二倍は広いであろうリビングには、コンサートでピアニストが弾くようなグランドピアノが置かれていた。だが、空はあることに気付く。