僕たちの関係「共犯者」
「何か、寂しい雰囲気の家だな」

空の家や、空と同じ中学校だった友達の家には、リビングなどに家族写真が飾られていたりする。だが、結月の家には写真は一枚も飾られていない。

そして、食器棚に食器は三人分置かれているものの、使われているのは結月の一人分だけ。そして、両親の自室と見られる部屋には埃が積もっている。長い間、結月の両親が家に帰って来ていないことは、頭の悪い空でも理解できた。

「……こんな寂しい家で、結月さんは一人……」

胸がギュッと苦しさを覚えていく。その時、ガタンとどこからか音が聞こえた。

「結月さん!?」

音がしたのは二階からだ。空は階段を駆け上り、音の聞こえた部屋のドアを何の躊躇いもなく開ける。そこには、家具が全て真っ白で統一されたシンプルな部屋があった。

その中央には結月がいた。驚いた様子で空を見ている。そして、天井からは輪のついたロープがぶら下げられており、結月はそのロープを自身の首に巻き付けていた。首吊り自殺をしようとしているのだ。
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