僕たちの関係「共犯者」
空が今ハマっている少年漫画を読んでいると、不意に結月が訊ねる。空は「あ〜……」と言いながら上を見上げる。雲一つない快晴を見上げながら、空は言った。

「僕、残念ながら友達いないんだ。僕が馬鹿なせいでね」

空の頭はこの学校に入学できるほど良くはない。ただ、おふざけ半分でこの学校の入学試験を受けたところ、問題の解答が全てマークシートだったためか、合格してしまったのだ。そして本命だった高校には落ちてしまったため、仕方なくこの学校に通うことになったのだ。

しかし、周りにいるのは勉強ばかりしている人たちだ。ゲームや漫画が大好きな空と話が何一つ合わず、空にも入学してから友達と呼べる存在はいない。

「確かにあなたは馬鹿だわ。こんな私と一緒にいるんだもの」

「馬鹿……確かにテストの成績は下から数えた方が早いよ」

先生やクラスメートに馬鹿にされた時は笑って流すことができる。だが、何故か結月に言われるとチクリと胸が痛んでしまう。それが何故なのか、空はまだ気付いていない。
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