僕たちの関係「共犯者」
「授業、サボっちゃおうよ!せっかくこんなにいい天気なんだ。机に齧り付いて勉強だけなんてもったいないじゃん!」

「わかったわ、共犯者さん」

結月はサボることを咎めることなく腕を引かれていく。二人はそのまま学校を飛び出して行った。



空と結月の関係は何なのかと訊ねると、きっと彼らはこう返すだろう。「共犯者」と。

結月に初めて空が話しかけた時、言ったのだ。友達ではなく共犯者になってほしい、と。

普通の優等生ならば、学校を抜け出してサボるなどあり得ないと拒否するだろう。だが結月はその関係を「好きにすれば?」とだけ言い、サボろうと空が声をかければ学校を一緒に抜け出す。

学校を抜け出した二人が行くところは様々だ。スタバに寄って新作のフラペチーノを飲んだり、映画館で映画を観たり、デパートをぶらついたり、その日の気分で行きたいところを決める。とはいえ、行きたいところを決めるのはいつも空なのだが。

「結月さん、行きたいところある?」
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