幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
「私、結婚して、貴晴さんに好きって言われる未来なんて想像してなかった」

「俺も、一椛も俺と同じ気持ちだっていうのは自信なかった」

「私たち、すれ違ってた?」

「そうかもしれないな」

「でも、これからは胸を張って言える。 貴晴さんと、結婚して良かった。嬉しい。幸せ」

「7年、惜しいことをしたな」

「その分、100倍愛してくれればいい」

「わかった。来世も来世の来世も、一椛と出会って、好きになる」

「来世は犬かもしれないよ?」

「カエルでもねずみでも愛してやる」

「ちょっと嫌。 カエルやねずみには生まれ変わりたくない」

私たちは笑い合う。なんの話しをしてるんだろうね、って。

幸せな未来に胸を馳せて、キスをした。

何度でもデートをしよう。抱き合って、キスをしよう。また旅行に行こう。結婚式をしよう。
庭付きの一戸建てを建てよう。

考えたらキリがない。大好きな人とやりたいことは、まだまだたくさんあるのだ。




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