幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない



天気予報では曇りだったけれど、弱々しいながらも太陽が照っている。

「晴れたな」

隣に来て、貴晴さんが外を眺める。

「これって晴れてるって言うのかな。すごく微妙」

「ま、このくらいの気候がちょうどいいよ。雨降ると寒いだろ」

「たしかに。そういえば貴晴さん、突然の雨に濡れてよく風邪ひいてた」

「おい、いつの話だ。俺大人になってから風邪ひいたことないし」

子供みたいにムキになる貴晴さんが面白くて、ニヤニヤしてしまう。

「やめろ、その顔」

「い、いひゃい〜」

私の頬をつまんで、このやろ、なんて不満そうにするので、余計に笑いが込み上げてくる。

朝からなんとも子供っぽい。
童心に帰ったような気になって、ちょっとしたいたずらを思いついた。
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