幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
…逃げ道が分からなくて素直に答えてしまう私も私だ。
語尾がどんどん小さくなって、最後は周りのざわめきにかき消された。

貴晴さんは、片手で顔を覆って俯いている。
あ、照れてる。
私の顔も真っ赤だ。お酒のせいにしてしまおう。

それから私のピッチは加速の勢いを辿る。
惚気話みたいなのをさせられて、周りの冷やかしに堪えかねて、お酒を入れるのだ。

貴晴さんに怒られる。だから絶対寝たりはしないぞ!

って決めたのに。

眠い……とてつもなく眠い。
もうまぶたに力を入れるのをやめたい。寝たい。

こくりこくりと船を漕ぎ出した私の肩を、佐原さんが叩いている。

「四宮ちゃん? 大丈夫〜? ちょっといじめすぎたかなあ」

ほんとですよ、もう。
総攻撃なんてひどいです……。

ああ、ダメだ…落ちる……
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