幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
「ああああぁ…! ど、どうしよ、やっちゃった! 公衆の面前でイチャついたの、私たち!?」

それは私と貴晴さんの結婚相手同時公開を意味する。

「あれはイチャイチャのうちに入らん。 なんなら今から本気のやつやるか? 俺たち、夫婦なのに1度もそういうの……」

「ど、どうしよう、私もう会社に行けない〜〜!」

「聞けよ…。 もう諦めろって。大人しく認めよう。俺たち結婚しましたーって」

散々隠してきて、デートに変装までしたのに、最後は自分で墓穴を掘ったのだ。

なんてこと……。

「そしたら一椛を狙う若造は玉砕。堂々と一緒に出勤できる。良いことずくめだなー」

この人、自分のハイスペックに自信があるのね。

私は楽しげな貴晴さんを見つめ、深い諦めのため息をついた。

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