すずらんに幸あれ!
#例の同居人
すずくんを彼氏(ウソ)だと言った以降、あれからしつこく告白してくる男がぱったりと学校に来なくなった。
待ち伏せとかされなくてすむし、「彼氏」というワードにショックを受けていたから、割と効果があったのかもしれない。
ぼんやりと教室の窓から空を眺めていると、母からメッセージが来ていたことに気づく。
アプリを開いて確認すると、《来週の日曜日、スズちゃんが家に来るから覚えといてね〜》と送られてきた。
どうやら来週からお母さんの友人の子どもが我が家にやって来て、しばらく一緒に暮らすことになったらしい。
その知らせを聞いたのが、春休み真っ只中の頃だった。
"スズちゃん"のお母さんが長期にわたる海外出張が決まり、家を空けることになったため、大切な子ども1人残していくわけにはいかず、事情を聞いた母は、『一部屋余ってるし、あたしんとこで面倒見ようか?』と提案したそうだ。
すると、"スズちゃん"のお母さんは即了承し、もうすぐ"スズちゃん"という子と一つ屋根の下で過ごす日が近づいているわけである。
本音を言うと、親同士で勝手に決めないでほしかったなぁ…と思った。