すずらんに幸あれ!
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「蘭〜おっはよ〜」
「おはよう、めるちゃん!ぎゃっ!?今日はハーフツインなんだねっ!!」
「うん、どお?似合う〜?」
「んぎゃわいいのかまたりでござるっ!!!」
「やった〜♡」
朝はめるちゃんと最寄り駅で待ち合わせをして、一緒に学校に向かうのが私の日課。
日を重ねるごとに可愛くなっていくめるちゃんを目にして古参なオタクのように興奮し、騒ぎ立てることも日課であった。
電車に乗って「今日、5限から体育なのやだな〜」と唇を尖らせて自分の髪を指先でくるくると遊ぶめるちゃんの姿に癒される。
目の保養だ。
「あっ、そうだ。私、1年の教室寄らなきゃいけないんだった…」
学校に到着し、下駄箱でローファーから上靴に履き替えている最中、思い出したかのようにめるちゃんに伝えると「めるもついていこうか?」と提案してくれた。
「…ってか、何で1年の教室なの?蘭って1年に知り合いいたっけ?」
「いや、この前話してた同居人のスズちゃんにお母さんお手製のお弁当を渡しそびれちゃって…」
「えっ、"スズちゃん"って同じ学校なの?」
「あー…うん。そうみたいですね…」