垢玉
カチカチカチと音を鳴らしながら、ソファーの背もたれを倒した彼女は、合図をするかのように、ぽんぽん、とその背もたれを叩き、僕に横たわるよう指示した。
「脱いで」
リサさんは、上半身裸になるよう僕に促す。緊張の中で、僕はゆっくり服を脱いだ。
「どうしよう、緊張してきた」
と藍ちゃんが言う。このような形で、垢玉を作るという夢が叶うのは嬉しいことだったが、僕はなんだか、若干の居心地の悪さのようなものを感じていた。
うつぶせになると、僕は目を閉じて深呼吸した。
ここは本当に静かな空間だと思った。目を閉じていると、いま僕がいる場所が、知らない人の家だということを、より強く感じられた。
期待と興奮で、身体全体が震えそうだったが、深呼吸を続けて、落ち着かせた。
「ちょっと触るね」
最初に感じたのは、リサさんの指先だった。