まあ、食ってしまいたいくらいには。



あの「ぎゃ」はどうやら親衛隊のものだったらしい。
生徒会の親衛隊。もちろんわたしは対象外。


わたしと三栗くんが密着しているところを目撃したその生徒はすぐに情報を共有した。


親衛隊のグループから、その友人へ。

その友人から、そのまた友人へ。

翌日には、ほぼ全校の女子生徒に知れ渡っていた。



『やっぱり前から怪しいと思ってたんだよね』

『三栗くん、いつもみんなには平等に接してるのに、甲斐田さんにだけは特別扱いだった』

『甲斐田さん、顔だけは悪くないからなあ』


クラスメイトの女の子たちは、納得こそしていないものの、あからさまに嫌悪を露わにされることもなかった。

散々な言いようではあったけれど、そこにはわたしに対する同クラへの同情もあると信じたい。


だけど彼女たちはあくまでも例外。

その他の生徒会ファンたちはそうもいかない。


わたしが生徒会の特定の人物と目に見えて親しくなったことで、よくやく沈静化しつつあった嫌がらせがまたしても目立つようになってきた。


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