まあ、食ってしまいたいくらいには。
幕間





中身なんて変わっていないはずなのに。

中学の制服を纏った彼女は、昨日とはまるで別人のようだった。




「ど、どうかなあ。似合ってる?」

「うん」

「いまテキトー言った!」



大人びて見えたのは一瞬。

口をひらいた途端、魔法が解けたようにいつもの彼女に戻る。



僕も彼女も、気づけば中学生になっていた。




「ももも同じ中学がよかったな」

「しょうがないよ。地区が違うんだから」

「でも、友だちできるか、わかんない……」



要らぬ心配だと思った。

いつも明るくやさしい彼女はどこにいても人気者で。


彼女とは違い、僕は第二の性を周りに知られている。
そんな僕といるようになってからも、彼女のことを好いている人はたくさんいた。




「きみなら大丈夫だよ」

「ほんと?もも、ちゃんと中学生できるかな?」

「その一人称は直したほうがいいかもね」

「うえ、じゃあももも"僕"にしようかな~」

「女の子なら普通、"私"じゃないの」


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