まあ、食ってしまいたいくらいには。
あ、いや、と芽野くんが焦る。
「すまない甲斐田。言葉を間違えた……」
なぜわたしにだけ謝る……?
重くないもん。たぶん。……重くないよね?
重くないことを祈ろう。
それにしても言葉を間違えた、なんて。
しっかりしてる芽野くんには珍しいこと。
よっぽど疲れてるんだろう。
わたしもいろんな意味で疲れてきたし、そろそろ休憩を挟んだほうがいいかもしれない。
と、腰を浮かしかけたとき。
「こーら、どこ行くの桃」
「み"っ、耳元で喋らないで……!」
ちょっと下まで飲み物買いに行くだけだから、と。
私も一緒に行くと言う三栗くんをなんとか説得し、渋々だけどようやく離してくれた。
「ついでに買ってきますけど、みんなも何か要りますか。あ、お金はあとから徴収しますからね」
みんなが口々に水、と言うのに対して。
愔俐先輩だけが具体的な商品名を口にした。