まあ、食ってしまいたいくらいには。
正直、他にも謎に包まれていることは山ほどあった。
だから愔俐先輩が眠っている間に、自分なりに考えたんだ。
「おかしいなって思ってたんです。なんのために愔俐先輩は、自分からフォークだってことを明かしたんだろうって」
もし愔俐先輩がフォークじゃないのなら、どうやってわたしがケーキだと知ったのかはわからない。
それでも愔俐先輩はそのことを知って、さらには敬郷先輩がわたしを狙っていることも知って。
「あの日、愔俐先輩がわたしに接触したのは、匿うためだったんですね」
「……」
「わたしをあえてフォークの中に、生徒会に引き込むことによって、警戒心を強めさせた」
そこまで言ってわたしは笑う。
「おかげであの頃は、毎日のように警戒してました」
あのときの気を張っていた自分に教えてあげたいくらい。
そこにあなたを傷つけるひとはいないよ、って。
「たしかに生徒会はフォークばかりだった。そしてわたしはケーキ。正直、相容れない立場のはず。それでも愔俐先輩がわたしをそこに入れたのは、生徒会を信じてたから」