まあ、食ってしまいたいくらいには。
それでもわたしは生徒会を辞める気はない。
理由はふたつあって、ひとつは単純にここが好きだから。
もうひとつは──
「ここでキャリア積んどかないと、わたし次の生徒会長ねらってるんですから!」
周りからポンコツだとかやめとけとか一丁前にキャリアとかほざいてんじゃねえとかヤジが飛んでくる。
というかほとんど奈良町先輩からだった。
「芽野くん、負けないからね!」
「桃、私は?」
すると、愔俐先輩は「面白い」と意外にも肯定的だった。
一気にうれしくなってにんまりとする。
「ね、ほら、愔俐先輩のお墨付きっ。なのでみなさん、わたしの糧になってください」
「こいつ堂々と言いやがった」
「ほんと神経図太いよね桃は」
そんなことを言い合っているときだった。
後ろからわたしの名前を呼ばれたのは。
「え?……あ」
そこにいたのは、いつぞやの女の子たち。
わたしに嫌がらせをしてきて、生徒会のことが信じられなくなったらわたしに同情して、だけど疑いが晴れたからまた生徒会の親衛隊に戻った、というなかなか激しい経歴の持ち主。
おそらくわたしのこともまた嫌いに逆戻りになってるんだろう。
その証拠に、生徒会の前にもかかわらず。
隠すことなく正面から睨みつけられていた。