まあ、食ってしまいたいくらいには。
「……当たり前。わたし、まだ生きるよ」
当分、死ぬ予定はない。
だって行きたいところも、食べたいものもいっぱいあるし。
いつか……いつかは、恋人だってつくりたいし。
こういうところが呑気だって言われるのかな。
ケーキのくせにって、思われるのかな。
……そんなことより、
「じゃあもう三栗くんは、わたしを食べたいとは思わないんだね?」
「さあ。一過性のものかもしれない。というかたぶん、一時的に収まってるだけ」
「い、今すぐ出ていってくれるかな!」
「寮の説明をしてあげようと思ったんだけど」
「そんなの……」
いらないよ、と言おうとしたら遮られた。
「聞いておいたほうがいいと思うよ。あーやっちゃったねドンマイドンマイ次から気をつけよー…じゃ、済ませてくれない先輩方もいるんでね」