まあ、食ってしまいたいくらいには。
「それって桃にかぎらないんじゃん?」
「え?えと」
「だから、奈良町名花って女嫌いでしょ、べつに桃だけが嫌われてるわけじゃないと思うけど」
「ちょ、呼び捨てはさすがに……どこで誰がきいてるわからないよ」
わたしが落ち込んでいるのをほの空ちゃんは嗅ぎ取ったらしい。
休み時間、次の教室に移動しているときに話聞くよって言ってくれた。
わたしが話しやすいように、いつもより歩くスピードも遅かった。
そんなほの空ちゃんの気遣いや心優しさに泣きそうになりながら、わたしはこの前の生徒会室での出来事を打ち明けたんだ。
言われたそのときは他のことに精一杯で気に留めなかったんだけど、よく考えたらあとからキた。お風呂に入ってるときにふと思い出して、しっかり凹んでしまった。