まあ、食ってしまいたいくらいには。
その日の夜。
またしても愔俐先輩がわたしの部屋に入ってきた。
ご丁寧に鍵までぶっ壊してくれちゃって。
百歩譲ってそれはいいとして……いや、決してよくはないんだけどね?!
それよりも、
「なんっでいつも着替えてるときなんですかね」
「お前が悪い」
「十中八九そっちが悪いですよ!?」
なにサラッと言ってんだこの人。
びっくりして目ん玉飛び出そうになったわ。
今日も今日とて無防備な最中、凸を食らったわたしは入り口に背を向けていたから半回転してドアのほうを向いた。
愔俐先輩に背なんて向けれられるわけがない。
食われてしまう。
えっちな意味じゃなくて物理的に。
警戒しつつベッドに置いていた部屋着を手に取ろうとしたとき、その横になにかが放り投げられた。
「ぎゃっ」
可愛さの欠けらも無い声出た。
な、なに?
今度こそ危険物か?
落ち着いてそれを確認する。