まあ、食ってしまいたいくらいには。
娯楽室にあるテレビ。
どうやらそれは、常識の範囲内であれば何時まで使ってもかまわないらしい。
娯楽室はわたしたちの個室から離れているから迷惑になることはまずないし、いまの生徒会のメンツで利用している人はほぼいない、と。
それを聞いた瞬間、さっきまで沈んでいた心がいともたやすく浮き立っていくのを感じる。
「ここに来てよかったって初めて思えました」
「そうか」
「じつはわたし映画が好きなんですよね。アパートからいくつか厳選して持ってきたんですけど、テレビは古かったから処分しちゃったんです」
「そうか」
そうかbotかな?
映画鑑賞なんてバカらしい、時間の無駄だとか思ってるんだろうな。
愔俐先輩の趣味ってなんだろう。
一瞬だけ考えてしまったけど、すぐにどうでもいいことだと頭から払い出す。